ものづくり企業のコンサルティングとは?メリット・デメリットを解説【製造業】

お役立ちコラム

ものづくりのコンサルティングには、2つの意味があります。一つは製造業の経営改善に関するもので、専業のコンサルティング会社などが提供するサービスです。もう一つは、より良いものを作るためのアドバイスで、マーケティング会社などのほか中小製造業のように大手企業のものづくりをサポートする企業もサービスを提供しています。

この記事では、フルハートジャパンのような中小製造業が提供する「ものづくりにおけるコンサルティング」の概要やメリット・デメリット、コンサルティングの進め方について解説します。

ものづくりのコンサルティングとは

製造業の業務効率改善

製造業の経営改善に関するコンサルティングは、業界や企業の特性を理解した上で、蓄積された経験や知識を活用し、経営者や役員が抱える問題を解決するための戦略を設計します。戦略は、新たな技術の導入、生産ラインの改善、製品開発の最適化など、多岐にわたるものです。たとえば、製造ラインや人員配置といった製造における無駄を探り、生産性を向上させることで達成します。

製造ラインのIT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)も大きなメリットのひとつです。これにより、手作業で行われていた業務が自動化され、生産効率が大幅に上昇します。さらに、コスト削減と営業利益の最大化が図れることもあるでしょう。

より良いものを作る

中小製造業にはコンサル機能があり、顧客である大手製造業の製品開発に対して、コスト削減や品質向上、納期短縮を実現する方策を提案できます。現場に密着したものづくりの経験と柔軟な発想、小回りのきく機動力から生まれるコンサル機能をものづくりに活かします。

顧客の装置開発においては、コスト削減はもちろん、規格対応などのリスク管理や、開発スケジュールの管理まで幅広くアドバイスしています。その際、長い経験で蓄積したデータやノウハウが生かされています。

また、設計の段階から歩留りや加工の難易度を考えることで、コスト削減と品質向上を両立。さらに国ごとに違う各種の規制を把握してリスクを回避し、スケジュール通りに製品開発を進めるサポート役を務めます。

ものづくり企業のコンサルをつける理由

顧客である大手製造業は、強力な製品開発のリソースを保有しています。しかし、実際に形を作る作業を長く担当してきた中小製造業には、現場に密着したものづくりの経験と柔軟な発想、小回りのきく機動力から生まれる独特のノウハウがあり、製品開発をさらにスムーズかつ効率的に進めることができるのです。

品質とコストの最適化

専門的な知識を持ったコンサルタントは、過剰品質の排除や歩留りの改善によりコストを最小化すると同時に、加工方法を最適化することによる精度の確保などにより製品の高い品質を維持します。生産ラインのムービンを詳細に分析し、無駄を削減する改善案を提案します。

また、外部の専門家を活用することで、より効率的な業務遂行が可能となることもあるでしょう。その結果、生産効率が上がり、コスト削減に直結します。

品質保証・品質改善

品質保証(QA)と品質管理(QC)は、製品の信頼性を保ち、顧客満足度を向上させるために必要な活動で、経営の安定化と企業の信頼性向上に繋がります。品質管理のノウハウを提供し、製品の検査体制の強化や、生産ラインの改善など製品の品質を一定に保つための戦略を立てられます。

また、既存製品を見直す「VA(Value Analysis=価値分析)」は、資材のコストと機能を分析、図面や仕様書の変更、製造方法の能率化、発注先の変更などを通じて品質を維持しつつコストを低減する活動です。

「VE(Value Engineering=価値工学)」は製品の設計段階での提案で、同じく図面や仕様書の変更、製造方法の能率化などを行い、コストを低減します。

ものづくりコンサルの進め方

ここからは、ものづくりコンサルの具体的な進め方について解説します。仕様書の叩き台を用意するところから始まり、お客様の要望を十分に反映しながら最適な方策を提案していきます。

スケジュール策定

お客様の製品開発スケジュールを実現するため、仕様書の叩き台作成から決定、設計、検証、制作の各段階の所要時間を算出し、全体スケジュールを立案します。適切なタイミングで製品を市場投入するためには、逆算してのスケジュール策定が重要です。

仕様書の決定

仕様書の決定は本来、顧客企業の技術者の業務です。しかし、この最初の作業は極めて重要な意味を持ち、間違いがあれば工程を最初に戻すなど大きな問題が発生します。

適切に議論を進めるため、フルハートジャパンでは豊富な経験を生かして仕様書の叩き台を作成した上で、お客様の要望を聞きながら正式な仕様書をまとめていきます。

設計段階でのコスト削減の検討

決定した仕様書に基づき、設計の段階で不要な機能や過剰な品質を省き、材料の歩留を改善し、開発コストと量産時のコストを削減します。中小製造業の経験とノウハウが生きる分野です。

外的な規制やリスク要因の検討

経験豊富な中小製造業は、国内外の各種規格を熟知しています。規格への適合はもちろん、部材の安定調達法など、お客様のものづくりに関連したリスクの低減策をアドバイスします。

フルハート・ジャパンのものづくりコンサルタントは、経験とノウハウを活かしてさまざまな角度から企業を支援します。もし、何から手を付けて良いかわからないとお悩みであれば、ぜひ一度お問い合わせください。我々の経験豊富なコンサルタントが、企業の課題解決を全力でサポートいたします。

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ものづくりコンサルティングのメリット・デメリット

中小製造業のものづくりコンサルティング機能には、活用するメリットと共に、活用時に気をつけるべき点があります。

メリット

コンサルティングサービスの活用により、次のようなメリットがあります。

  • 専門家の知識とノウハウを活用できる
  • 新しいアイデアを導入し、既存の常識に縛られない発想を得る
  • 情報を整理し、課題解決の道筋を明確に示す

特に、専門家の経営知識の活用は、現場の経験だけでは手に入らない情報や視点を提供します。異業種の知見を取り入れることで、自社の固定観念を打破し、新たな視点から問題を見つめ直す機会を得られるでしょう。

また、新しいアイデアを取り入れることで、新規事業の開発や既存ビジネスの改革を進め、競争力を高めることも可能です。

しかし、すべてが良い面ばかりではありません。次に、デメリットについて見てみましょう。

デメリット

中小製造業のコンサルティング機能は現場で重要なものですが、製品開発の根幹は大手製造業の基礎研究による高度な技術開発が全てのベースとなります。両者が互いの得意分野を活かしてより良い製品開発を行うことが重要です。

ものづくりコンサルティングの具体例

フルハートジャパンが実際に手がけた案件におけるコンサルティングの内容をご紹介します。

半導体製造装置の開発

さまざまな機器が連携する半導体製造装置において、流体制御部分の開発をお手伝いしました。仕様書の決定までには多数の変数を考慮する必要があり、フルハートジャパンが用意した叩き台を元にすることでお客様の議論が進みました。欧州や米国、中国の環境規格などを考慮しながら、コストを削減しながら品質を維持、さらにプラントを構成する機器に必須の「小型化」のためのレイアウト提案など、全てを勘案しながら設計をスケジュール通りに進めるお手伝いをしました。

まとめ

優れた製品開発には、大手企業様の開発能力に加え、現場に密着した中小製造業のものづくりに関する知見を活かす「ものづくりコンサル」をご活用ください。

ものづくりコンサルなら、経験豊富なフルハートジャパンにぜひご相談ください!ものづくりコンサルティングは、企業の成長戦略に欠かせないものです。製品の品質や生産性の向上、新たなビジネスの開発や競争力の強化など、さまざまな視点から企業を支援します。各種のものづくり補助金をお使いになる場合は、私どもフルハートジャパンも補助金を活用した経験を持っておりますので、何でもご相談ください。

しかし、コストやコンサルタントとの相性など、デメリットもあることを忘れてはいけません。企業のニーズに合わせて、最適なコンサルティング会社を選ぶことが重要です。

もし、ものづくりコンサルティングに関するお悩みがある場合は、ぜひフルハート・ジャパンにお問い合わせください。経験豊富なスタッフが課題解決を全力でサポートいたします。

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