プリント基板の試作|量産との違い・メリット・製作方法と流れ・費用について解説

お役立ちコラム

プリント基板の試作は、量産品を製作する前の設計、製造上での不具合・改善点を見つけるために必要な工程であり、品質や性能を確認するためにも欠かせない工程です。プリント基板を試作することで、量産時の不具合を減らし製造コストの削減、製作期間の短縮もできます。

また、プリント基板を試作する際には、実績の豊富な会社を選ぶことが重要です。この記事では、プリント基板の試作について、その価格や費用相場、方法、メリットなどについて解説します

プリント基板の試作と量産の違い

プリント基板の試作と量産の違いは、製造方法コストにあります。試作は数枚単位で、部品実装は手作業や半自動機で行われることが多く、量産の部品実装は全自動機で行われ数十枚~数百枚単位で製作することが多いです。

そのため、試作は量産に比べて製造時間が長く、コストが高くなります。一方、量産は試作に比べて製造時間が短く、コストが低くなります。

以下の表は、試作と量産の違いを比較したものです。

項目試作量産
製造方法手作業や半自動機全自動機
製造時間長い短い
コスト高い低い

コスト削減は量産において非常に重要なポイントです。

プリント基板を試作するメリット

電子機器の開発においては、量産開始前にプリント基板を試作して動作を確認します。試作せずにいきなり量産を開始すると、不具合があった場合に莫大な損害が発生するでしょう。

プリント基板の試作は、品質や性能を確認するために必要な工程です。試作を行うことで、設計や製造の改善点を見つけやすくなります

量産時の不具合・コストが減らせる

プリント基板の試作では、試作品を実際に動作させてテストできるため、設計や製造上の不具合を発見しやすくなります。

  • 回路が誤っている
  • 部品のサイズや位置が適切でない
  • 製品の動作が不安定である

などの不具合を検出できます。これらの不具合は、無視すると大きな問題になる可能性があります。試作を行うことで、これらの不具合を早期に修正できるため、量産品の品質が向上するでしょう

プリント基板を試作する方法と流れ

プリント基板を試作するには実績の豊富な会社を選ぶこと重要です。

実績が豊富な会社には、以下のようなメリットがあります。

  • 製品技術や品質管理が高い
  • 納期や対応が迅速かつ丁寧
  • トラブルやクレームに対応できる

製造技術や品質管理が高いということは、プリント基板の性能や信頼性が高いということです。また、納期や対応が迅速かつ丁寧であれば、プロジェクトの進捗や満足度まで向上できるでしょう。

プリント基板試作の流れは、以下のようになります。

  • 要件定義
  • 回路設計
  • 基板設計
  • 生基板製造
  • 部品実装
  • 動作検査

要件定義

まず、お客様のご要望や目的に合わせて、プリント基板の仕様や機能を明確にします。例えば、基板のサイズや形状、使用する部品、必要な性能や信頼性などです。

この段階で、ご相談しながら最適なプランを立てます。

回路設計

次に、要件定義で決めた仕様や機能を実現するために、回路図を作成します。回路図は、基板上に配置する部品の繋がりを示す図で、回路図制作には専用のツールを使用します。

電気的な特性や動作原理を考慮しながら、効率的で安定した回路設計を行うことが重要です。

基板設計

回路図が完成したら、基板設計に移ります。基板設計では、回路図に基づいて、部品の配置などを決めます。

基板設計にも、専用のツールを使用し、基板のサイズや形状、部品間の干渉がないかを考慮しながら最適化します。また、ノイズなどの問題を防ぐための対策も可能です。

生基板製造

基板設計が完了したら、生基板製造に進みます。生基板製造では、基板設計で作成したデータをもとに材料を切り出し穴をあけやメッキを施します。

また、精度や品質を確保するために、各工程で検査やテストを行うこともありますが、この生基板製造の工程はフルハートジャパンではなく、協力企業にて行っております。

部品実装

生基板の完成後、生基板上に部品を実装します。

部品実装では、部品の種類や数に応じて、手実装と機械実装を使い分け、部品の向きや位置に注意しながら作業を行っております。

フルハートジャパンにはチップマウンターがございますので、表面実装も対応可能ですし、もちろん手実装も対応可能です。

動作検査

部品実装が終わったら動作検査となり、完成した基板が正しく動作するかどうかを確認します。動作検査には、電源や信号発生器というような測定器具やテストプログラムなどが必要です。

動作検査では、回路図や仕様書に基づいて、電圧や電流や周波数などのパラメータを測定したり、入力と出力の関係を確認したりします。また、異常や不具合がないかのチェックも慎重に実施され、高い精度と品質を確保してから出荷されるという流れです。

プリント基板試作の価格・費用相場

プリント基板の試作にかかる費用は、基板の種類、サイズ、枚数、製造業者に依頼する内容などによって異なります。例えば、開発や設計込みでの試作製作となりますと、部品費込みで数十万円~百万円程かかることもありますが、部品実装など製作のみの場合は部品費込みで数万円~数十万円程である場合が多いです。

プリント基板の回路設計

プリント基板の回路設計にかかる費用は、依頼内容、基板の種類、サイズなどによって異なります。また、設計会社によって金額にも変化があるものです。

部品の仕入れ

プリント基板に実装する部品の仕入れにかかる費用は、部品の種類、数量、仕入れ先などによって異なります。そのため、一概に金額の目安は出せません。ただ、一般的には数千円から数万円となるでしょう。

部品の実装費

部品の実装費の概算は、プリント基板の種類やサイズ、部品の数や種類、実装方法などによって異なります。手付け実装、手載せ実装(半自動)、マウンター実装(全自動)などの方法によっても変化するでしょう。

まとめ

プリント基板の試作では、要件定義、回路設計、基板設計、基板製造、部品実装、動作検査という工程があります。プリント基板の試作は、実績豊富なメーカーに依頼することが重要です。

フルハートジャパン 選ばれる理由

フルハートジャパンは、一貫生産体制による高品質・高精度なもの作りを行っており、お客様からの信頼を得ています。ジャパンクオリティの設計・加工技術と製造力に加え、経験豊富な技術者による図面の行間を読める設計・製造が強みです。

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